イベント参加募集や応募管理、プレゼント抽選から発送まで『事務局』の開設・運営方法

イベント・プロモーションにおける『事務局』とは?

通常、「事務局」というと企業・団体の中の諸事務を行う部署になりますが、イベント・プロモーションにおける「事務局」は、おおよそ次の3つに分類されます。

1.多数の参加希望者が想定されるイベントで、事前に参加申し込みや抽選を行う『応募事務局』

2.懸賞の応募窓口や、問い合わせ対応などを行う『キャンペーン事務局』

3.展示会などの出展者を取りまとめる『出展事務局』

それぞれ、「事業の窓口となり情報を取りまとめ、結果の連絡を行う」という機能は共通していますが、設置する目的や運営方法が異なってきます。

 

イベントの応募事務局について

応募事務局の開設方法について、下図の例を使って解説します。

初めに行うことは「イベントの応募内容にあった通信機器の設置」になります。例では、応募方法は「web」「FAX」の2種類のため、それぞれメールアドレス・FAX番号を事前に用意して告知物に掲載します。企業向けのイベント等の場合は申込フォームで一本化してもいいのですが、不特定層の方の来場が予想されるイベントでは、webを使えない方向けにFAXでの申し込みも用意することがあります。ここはイベントの内容と事務局の手間のバランスをみて決定するのがよいでしょう。また、電話で問い合わせ対応を行うため専用電話番号も用意します。

次に事務局人員の確保です。問い合わせには電話でも対応すると決めたので、事務局の電話が鳴ったら出なくてはいけませんし、問い合わせ内容をまとめて日報につける作業なども出てきます。この例の場合、常に電話に出られる人員を待機させなくてはいけないため、アルバイトなどの外部常駐スタッフを置いた方がベターです。気をつけたいのはスタッフを実際に手配する前までに「事務局の作業マニュアル」を作っておき、どんな作業を行うのかを整理しておくことです。マニュアルはスタッフへのレクチャーの際に使うだけではなく、事務局運営にどんな準備が必要かを確認する意味でも必ず作成するようにしましょう。特に、応募情報は個人情報を含む場合がほとんどですので、社内の個人情報取り扱い規定を確認し個人情報の漏洩が起こらない体制を構築して臨むことが重要です。

実際に事務局を立ち上げ、参加申し込みを受付け、締め切り日までに定員以上の応募があった場合の抽選も事務局で行います。

当選者が決定したら通知を行います。例では、通知方法をはがきとメールの2つにしてます。通常はこの通知がイベントへの参加証を兼ねるようになってます。イベントへ来場時にメールなら受信メールの画面を、はがきはそのまま見せて入場してもらう流れになります。

 

キャンペーン事務局について

商品の販売促進施策として行われる「プレゼントキャンペーン」の事務局について、下図の例をつかって解説します。

まず初めに行うのは、問い合わせ用の電話番号とメールアドレスの取得になります。この手のプレゼントキャンペーンの場合は問い合わせ窓口を設けるのが一般的です。というのも、窓口を設けていないと「小売店や製造・販売元に問い合わせが殺到するから」です。

この例の場合、応募方法は「対象商品についているシールを集めて、専用応募はがきまたは官製はがきで応募する」となっているため、申込用の応募フォームなどの作成は必要ありませんが、キャンペーンの内容によって適宜作成を行います。

次に作業スペース&保管スペースの確保です。実施実績のあるキャンペーンの場合、どれくらいの応募があるか見込みがつきますが、初めての場合は多少多めの予測を行って十分なスペース確保出来るようにしましょう。応募はがきは個人情報が含まれるため、鍵付きの場所に保管することが望ましいです。

そして事務局人員の確保です。プレゼントキャンペーンの場合、必要人数は応募数や作業内容で大きく変わってきます。この例の場合の作業は

◎応募はがきの仕分けと確認(希望コース別の選別、シールが貼ってるか、必要事項が記載されているか、その他不備が無いか)

◎コース別応募数の管理と日報への反映

◎問い合わせのメールや電話への対応

の3つになります。

もし、すぐにスタッフを追加できる場合は、必要最小限の人数でスタートして、作業状況を見ながら追加スタッフを投入するかどうかの判断をするのがよいでしょう。ちなみに一番作業ボリュームが見えないのが「問い合わせ電話」への対応です。全く電話が鳴らないこともあれば、ひっきりなしに鳴り続けることもあるため、予算にもよりますが、1日2名位の体制を組んでおいたほうが安心です。なお、よくある問い合わせは「出したハガキが届いているか知りたい」「当選しているのか知りたい」「気が変わったからコースを変えたい」などです。このような質問にはお答えできませんと応募用紙に記載しても必ずきます。これはもう、電話を開設した以上あきらめて丁寧に対応するしかありません。

応募締め切りの後の抽選方法については、主催企業によって様々ですが、通常は企業関係者立ち合いの元、抽選(コースごとに分けられたハガキの束の中から無作為に抜き出す)を行いその様子を撮影しておきます。撮影するのは、抽選についての問い合わせや開示請求などがあった際の証拠とするためです。

当選者が決定したら発送を行うのですが、これも事務局から賞品を発送する場合と、委託先から発送する場合の2通りがあります。「当選のお知らせ」のような案内用紙を同封して発送を行いましょう。

 

 

イベントの出展事務局について

出展者を集めるイベントの事務局の作業は、膨大且つ多岐にわたるため、ここではごく簡単に概要を説明いたします。

初めに用意するのは、各種連絡窓口です。例では公式ホームぺージの申し込みフォーム、メール、FAXの3つとしています。申込フォームに申し込み後の各種の申請機能なども付けてしまえば一元化できて楽なのですが、手間と予算のバランスを見て決めましょう。また、出展料の徴収を事務局名義で行う場合、入金口座の開設も必要です。ちなみに、事務局名で口座を開設する場合、銀行にかなり量の書類を提出しなくてはいけないため結構大変です。

次はスタッフの手配です。専門性が高いイベントの場合、問い合わせに答えることができない可能性があるため、アルバイトは書類整理とPC打ち込み、専門的な対応は部署の社員と作業領域を分担して対応することをおすすめします。この例には記載してませんが、スタッフが「出展セールス」の電話かけやメール配信も事務局が行うこともあります。

申込が始まってからの作業はイベント内容によって様々なのですが、この例では

◎応募情報の管理(紙で申し込みの場合は原票管理)

◎応募内容ごとの情報整理(申込小間数、出展エリア、出展内容など)

◎問い合わせへの対応

◎請求書の発行と入金確認(通常は出展料は前払い)

◎各種イベントに関する申請書類の送付と管理(出展名称の確認、告知物への掲載情報の確認、保健所・消防申請書類、当日のレンタル備品の申込受付など)

を行います。

その後、出展者を集めての「出展者説明会」の開催や「出展者マニュアル」の配布、「会場レイアウト」の配布などを行い、搬入出のスケジュールが固まったら「車両証」の発行や「出展者証」の配布を行います。

さらに、イベント本番時には各出展者の窓口として、会場内に「当日事務局」を設け、事務局担当者が現場での様々な問い合わせに対応を行います。

関連記事

ページ上部へ戻る