「もうネタが無い…」恒例イベントで必ず起こる問題「コンテンツのインフレ」を回避するには?

イベントの回を重ねると必ず付きまとう問題

それが「コンテンツのインフレ」です。ざっくり言うと、恒例イベントで前回と同じコンテンツを用意するとお客が飽きて離れてしまうため、毎回内容を進化させたり、新しいコンテンツを用意しなくてはいけない。という状態を指す言葉で、私が勝手に命名しました。少年漫画の「強い敵を倒すと、もっと強い敵が現れ、そいつを倒すとまたもっと強い敵が…」というアレを思い描いていただければと思います。

人というのは本当に飽きっぽいもので、一度体験してしまうと慣れが生まれ、次回以降に初めての感動や興奮を凌駕することはなかなかありません。イベントに来るほうの立場で考えれば、それはもちろん毎回新しい体験がしたい訳で、コンテンツのインフレは仕方がないとは思いますが、作ってるほうは本当にキツイ…。

では、何回同じ内容の事をしてもお客が飽きずに楽しめる方法はないのか?

もちろん、コンテンツをインフレさせず毎回同じことをやっても、お客さんが楽しんでくれれば問題はないですし、逆に、クライアントからの指示や、参加団体への配慮、そして予算などから、どうしても同じコンテンツを用意しなくてはいけない状況も多々発生します。

過去に何人ものイベントプロデューサーやプランナーがその叡智を以って「毎回同じことをやっても飽きられない方法は無いのか?」という問題に挑みましたが、いまだに抜本的な解決策を発見するには至っていません。私の経験から言うと、どんなに人気のあるコンテンツでも、まったく同じ内容で年1回実施すれば、3回(年)位が賞味期限です。(本当のにその時の流行りものであれば、1回で賞味期限切れです。)

しかし、見せ方と運営の工夫次第では多少の延命措置も可能です。以下で私が行ってきたその方法をご紹介します。

(1)1年に1回ではなく2年に1回行う「1回飛ばし」

実施スパンを長くする手法です。大人気のものではなく、そこそこの人気コンテンツで賞味期限が多少長いものが向いてます。というのも、大人気コンテンツの場合は、来場者からのリクエストだけではなく主催者からの再実施要望も強く出るため「1回飛ばし」を行うことは難しいのと、コンテンツの賞味期限が短い場合が多いためです。そして、この手法のメリットは延命措置だけではなく、そのコンテンツに対する適度な飢餓感を作ることが出来るという点にあります。

(2)ご要望に応えて、あの人気コンテンツが復活!「再利用」

過去の優良コンテンツを再利用する手法です。この手法のポイントは見出しにあるように、あくまで使いまわしではなく「ご要望にお応えして復活した感」を出すことです。いいコンテンツなんてそうそう毎回都合よく用意できないので、よく行う方法です。ただし、そのまま復活もいいのですが、その時の時世や流行にうまく合わせた形でブラッシュアップするのがベターです。それによって二番煎じ感を払拭しつつも進化したイメージを打ち出すことができます。

(3)毎度おなじみのコンテンツへ育てる「伝統芸能化」

コンテンツを「あのイベントならこれだよね」と言われるようなものに育てる手法です。インフレ問題の理想の解決策なのですが、これはかなり難しい。どうしてもマンネリ化という問題がついて回りますし、主催者や口を出す偉い方々、なによりそしてお客さんが満足できるクオリティを維持し続けるという、非常に高いハードルを越え続けなければなりません。

ちなみに私は、過去に1つだけ「伝統芸能化」に成功した事例があります。それは「シニアカラオケ大会」です。わたしも実際にやってみるまで人気コンテンツになるとは思っていませんでした。なんで成功したかというと、シニアの方々はとにかくカラオケ好きが多い。となると、その成果を発表する場所を欲っしている訳で、じゃあ用意しましょうとイベントの独立した1コーナーに盛り込んだのです。それがシニアの中で話題になり自分たちも是非その場所で歌いたいと、ぞくぞくと参加希望者が増えました。見ている方からすれば、素人のお年寄りの歌を聞かされるという、こんなつまらないものは無いのですが、そこは「併催イベント」のような形で独立させて行うことで、出る方も見る方もシニアのカラオケ愛好者という状況を作り出し、カオスな状況を回避することに成功しました。

同じイベントを続けると、どうしてもこのインフレ問題にぶつかるかと思います。毎回、楽しくお金がかからない新しいコンテンツを用意できることが理想ですが、それが難しい場合はこの記事を参考にぜひうまく乗り切ってください。

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