イベントを成功させる人の特徴
イベント業界に身を置いて十数年。小さな町のお祭りから10万人以上を動員したものまで様々な案件に携わってきましたが、それらイベントでは自分で企画・制作・運営を行うだけではなく、協力会社からの依頼でイベントをサポートするポジションで関わることもよくありました。
サポートで関わる場合、現場運営だけ手伝うこともあれば、コアメンバー達と一緒に企画・制作を行うこともあるのですが、様々なイベントプロデューサーと仕事をする中で、イベントを成功させることができる人達にはある共通点があることに気がつきました。それは
その人物がチームに“安心感”を作り出していることです。
かなりモヤっとした表現になってしまいますが、実はこれがイベントプロデューサーの一番重要な資質なのではないかと思います。
イベントはほとんどの場合多数の人間が関わりながら準備を進めていきます。イベントプロデューサーはそれらの人間を統括するいわば目的地に向けて航行する船のキャプテンです。船を動かすための各ポジションへクルー達を適所に配置することはもちろん、彼らのパフォーマンスを最大限に発揮し、船を効率的に進めることができるよう常に士気を高めなければなりません。
そこで必要になるのがチームの中に漂う“安心感”です。
「この人なら安心して指揮を任せられる」「この人の言うことを聞いていれば大丈夫」「この人なら失敗してもフォローをしてくれる」という気持ちをクルー(イベントのチームスタッフ)が持つことができている場合、大抵そのイベントは成功します。
もちろんその空気感を出せるまでには、相当な経験と技量が必要になるのですが。
イベントを失敗する人の特徴
これは、はっきり言って成功する人の真逆です。
その人物がチームに“不安感”を作り出していることです。
具体的に言うと次のようなタイプの人です。
- 予算にルーズ。
- 自分だけで物事を解決しようとする。(他人を信用しない)。
- 実現性の無い、思いつきのアイディアを強行しようとする。
- チームを一緒にイベントを作る協力者と捉えず、駒と考える。
- 人の話を聞かない。
- 過去の成功体験が忘れられず、他人にも同じやり方を強要する。
どこの会社にも居る嫌われる上司の例のようですが、イベント業界でもなぜかプロデューサーとしてこのような人物がのさばっていたりします。そしてそんな人物の部下は「上司に文句を言われたくない」という後ろ向きなモチベーションで仕事をすることになり、失敗する確率がぐんと高まります。
もちろん、このようなイベントプロデューサーの仕事は全て失敗するということではなく、ある程度経験を積んだ人員でイベントを行うのであればほぼ失敗はしません。むしろ「プロデューサーが信用できないから自分たちでやるしかない」と強い団結力が生まれたりすることもあったりします。
ですが、私が今まで見てきた失敗したイベントを振り返ると、その大多数がチームに“不安感”をもたらすような人達がプロデューサーでだったことは間違いありません。