このコラムでは「イベント業界」「広告業界」にまつわる様々な“あるある”を会話形式で紹介していきます。
今回は『企画書制作篇2 ~制作会社内打合せ~』です。
彼らが日々繰り広げている日常の中の一コマを切り出して、よく起こる事やよく使われる用語を解説していきたいと思います。
前回の『企画書制作篇1』では広告代理店の会議室で初回の打合せの様子を紹介しましたが、今回はそれを元に制作会社の社内で打合せをするところから始まります。
制作会社内打合せ
制作会社プランナーA(以下A)「というわけで、俺が明日までにページネーションを組むから、Bはなるはやでゲスト候補をあたってほしい」
制作会社ディレクターB(以下B)「とりあえず適当にみつくろっておくわ。予算はアゴ・アシ別の100位でいい?」
A「できれば80~90に収めたいかな。予算がタイトだから多少のバッファを見ておきたい」
制作会社ディレクターC(以下C)「俺は運営ページ担当?今日・明日別作業でテッペン超えそうだからアップはギリになるかも」
A「すまん。よろしく頼む」「あと、クリエイティブもこちらマターでやるんだけどどこにするかね」
B「Zデザインでいいんじゃない。あそこサイン関係も結構やってるし」
A「OK。じゃ、そうしよう。」
C「そういえば今回ってプレ費いくらなの?」
A「今回は特急料金で○くれるってさ、代理店であっためてたから迷惑料込みで」
C「へー。あの人そんな甲斐性あるんだ。」
B「ちなみに競合は?仕込みじゃないよね」
A「ウチの上のZ社と、X社・Y社・W社の4者コンペだって。多分ガチ」「じゃ、よろしく!」
と、制作会社ではこんな感じの打合せが繰り広げられてます。
それでは、それぞれ太字になっている用語とシチュエーションについて解説していきましょう。
用語とシチュエーション解説
なるはや…なるべくはやくの略。可能な限り急いでほしいことを伝える際によく使われます。
アゴ・アシ別…アゴ:食事、アシ:移動手段のこと。マクラ:宿泊とセットで使われることもあります。この場合は「食代金、移動交通費別」の意。
バッファ…ゆとり・余裕の意味で使われます。イベントは思いがけない支出に備え、予備費を見ておくことが多い。
テッペン超えそう…テッペン:時計の針が深夜12時を指す。つまり日を跨いで仕事をしなくてはいけない状況のこと。よくあります。
クリエイティブ…デザインが絡むもの全般を指します。
こちらマター…こちらが担当するという意味。
サイン関係…サインはいわゆる看板のこと。看板は、一般的なチラシサイズの制作物と異なり、目線の高さや文字の大きさなどを考慮してデザインすることが重要になるため、それを熟知しているデザイナーさんに作ってもらわないと実際には使えないものができたりします。
プレ費…プレゼン費用のこと。今回の場合は広告代理店から制作会社に支払われる企画費とクリエイティブの費用になります。
特急料金…文字通り急いで作業する場合の特別料金。
仕込み…特定の広告代理店が先行してクライアントと事前打ち合わせを行っており、コンペの内容についてすでに熟知している状態。クライアント担当者は随契をしたいけど、会社的に○円以上はコンペにしなくてはいけない等の内規がある場合は、勝たせたいところに事前にある程度有利な情報をそれとなく伝えていたり。そもそもオリエンシート自体をその会社が書いていたりします。
○者コンペ…指名コンペの場合は、クライアントから複数社へ「こんなコンペ有るけど出ない?」と声がけを行い。参加の意思を表示した会社でコンペを行います。
ガチ…ガチンコ。つまり仕込みなしのフラットなコンペのこと。
以上、いかがでしたでしょうか。それでは他のあるあるをお楽しみに。