【イベント業界あるある】企画書制作篇3 イベント・広告業界で繰り広げられる、よくある光景や用語を解説

このコラムでは「イベント業界」「広告業界」にまつわる様々な“あるある”を会話形式で紹介していきます。

今回は『企画書制作篇3 ~制作会社内企画制作~』です。

彼らが日々繰り広げている日常の中の一コマを切り出して、よく起こる事やよく使われる用語を解説していきたいと思います。

前回の『企画書制作篇2』では制作会社内で繰り広げられる企画前の打合せの様子を紹介しましたが、今回は実際に企画書を作っている場面を紹介します。

制作会社内での企画制作についてのやりとり

制作会社プランナーA(以下A)「というわけで、ひとまずページネーションを組んだんだけど、B君は予算配分をしてみて。俺は前段から書くから。」

制作会社プランナーアシスタントB(以下B)「実は、もう予算の割り振りやってみたんですよ。 全体で200万ほどショートしてます。 」

A「えー?!どこでそんなに膨らんでるの。」

B「全部ですね。そもそもこれってZ社が赤でやっちゃったのがそのまま実績になっているんですよね。お得意の要望を全部受けたら全然はまりません。」

A「わかった。代理店には説明するが、総花的にやってもみんな不幸になるだけだから、資源を集中させてコンテンツは絞る。多分それでも金が足らないから最後は必殺技発動だな。」

B「何ですかその必殺技って?なにかいい方法があるんですか!?」

A「必殺『とって(勝って)から考える』で行く」

B「…」

と、制作会社では企画前にこんな感じの打合せが繰り広げられてます。

それでは、それぞれ太字になっている用語とシチュエーションについて解説していきましょう。

用語とシチュエーション解説

予算配分…ある程度やることが見えたら、全体の試算をしてみます。ここでどこにどの程度の予算を割けるのか大まかな割振りを行います。

前段…企画書の具体的な各論を説明するための、前提整理部分。お題の整理~課題の確認~課題を解決に必要なこと~この企画のコンセプトなどが主な内容となります。企画書の軸となる基本的な考えを伝えるパートですが、これをつくるのが一番面倒です。

ショート…ここでは予算オーバーの意。

お得意の要望…お客というのは本当に不思議もので、おおよそ予算内で出来ないとわかっていても、「仏の御石の鉢」が欲しいとか「蓬莱の玉の枝」を取ってこいとか「火鼠の裘 」が見たいとか「龍の首の珠」をゲットしろだとか「燕の産んだ子安貝」があると嬉しいのにな~とか、用意出来たら年度末の余った予算あげちゃうのになー。などとのたまいます。

総花的…ここでは、規定演技をすべてそつなくこなして仕上げた企画をさしています。全部のコンテンツが面白かったり要望を満たしていればいいのですが、ともすれば「全部が面白くない企画」になる危険もあります。

資源を集中…面白い企画などに予算を集中させて、 思い切って優先度が低いパートを無くす事も時には必要です。

とって(勝って)から考える…一部の熟練の匠のみが使える必殺技です。企画コンペはとにかく勝たないと始まりません。ただし素人がこれをやると後から大怪我をすることもあるので注意しましょう。

以上、いかがでしたでしょうか。それでは他のあるあるをお楽しみに。