今も定番として存在する、多数のマスターピース達
イベント業界には古くから存在し、形を変えつつも基本的な構造や仕組みが変わっていないマスターピース(傑作)と言えるモノやコトが多数存在します。
このシリーズでは、いまでは当たり前になっているそれらを見返し、偉大な先人たちの功績の裏にあったであろう努力やひらめきの跡を見ていきたいと思います。
【第2回】会場回遊施策の絶対王者
台紙に規定の場所でハンコを押し、その数に応じて景品がもらえたり抽選に参加できるなどのご褒美を受けられる、回遊施策のド定番スタンプラリーです。
台紙型、デジタル型、位置情報型など様々な仕様がありますが、「規定の場所でチェックをさせ、インセンティブを付与する」という基本構造は全て同じです。
↓スタンプを押す場所はこんな感じ。
↓スタンプラリー台紙(用紙)のイメージ
上は、紙を使ったいわゆる「スタンプラリー台紙」の参考見本になります。
上部に会場マップとスタンプの設置場所を表示して、その下にスタンプ台紙を表示、そして抽選条件を記入するという形です。
スタンプラリーを行う一番メリットは「あまり人気のなさそうな場所へ行かせる」ことができるという点でしょう。例えば、イベントを行った際に、会場レイアウトの都合で導線上生きづらい場所などにブースを構えることになった出展者がいた場合などに、「その場所のスタンプを押さないと抽選ができない」などのシバリを設ければ、かなりの割合でそこまで行ってもらうことができます。(そのあとブースに立ち寄るかは、そのブースの魅力次第ですが。)
ここがすごい!
とんでもない汎用性の高さ!参加意欲を掻き立てる!参加者・主催者・出展社全員がうれしい!
スタンプラリーの1番すごさは、その類希な汎用性の高さでしょう。冒頭でも書きましたが、定番の紙によるものはもちろん、デジタルでの展開も可能で、いずれにせよ「そこに行ってチェックを受けるだけ」と非常にシンプルです。
また、ほとんどの場合はスタンプを集めた数に応じて何らかのインセンティブが用意されており、「参加すると何か貰える」とすぐに連想されることで、参加意欲を掻き立てることができます。
そして、参加者は、参加することで何か貰え、主催者は簡単に会場内回遊を促すことができ、出展者は自分の出店場所に来てもらうことができると、まさにいいことづくめの手法です。
そして、この手法を日本のイベントのスタンダードとして定着させ、いちいち説明をしなくてもほとんどの参加者が分かるという状況を作り上げてきてくれた先人たちと、スタンプラリーの原型を考案した方には心から敬意を表したい。
なお、スタンプラリーは諸外国では一般的なものではなく、インバウンドイベントなどで外国人を対象に行う場合は、あまり興味を惹かない可能性があるため注意が必要です。