イベントを広告代理店やイベント会社へ業務委託する際のポイント

全部または一部を丸振り出来るけど、お金はかかる。

広告代理店やイベント会社に丸振りまたは一部の業務を委託すれば、はっきり言って楽です。だけどそれ相応のお金が必要になってきます。これは完全に私の個人的な感覚ですが、

広告代理店へ発注する金額の目安:100万以上(日常的に取引がある場合はその限りではない)

イベント会社へ発注する金額の目安:10万円以上(無論、内容によってですが)

といった感じです。もちろん上記の金額は様々な諸条件があってのものですが、感覚としてとらえて頂ければと思います。

広告代理店にイベントを委託するメリット

広告代理店に委託する最大のメリットは、「イベントの基本設計から告知・集客・運営・検証」までトータルで行ってくれるところです。さらに、彼らの有する様々な優秀なブレーンやプロの制作会社(イベント会社が)が、よりイベントを面白くする様々な提案を行ってくれたりします。また、広告代理店は各種広告のプロですので、特に集客に関しての告知活動は彼ら最大の強みといっていいでしょう。

しかし、そんな広告代理店ですが、「自社で全ての制作業務を行っているわけではなく、メディアバイイングと一部クリエイティブ制作以外のほぼ全て業務は下請け会社への外注」となります。彼らがまず自分たちの利益を確保し、残った予算を使ってさらに下請の制作会社へ外注するため、当然発注者が自分たちで内製でイベントをつくったり、直接イベント会社へ発注するより割高になります。

ではなぜ彼らに仕事があるのか、それはいままで広告代理店が築いてきたブランドと安心感に他なりません。任せておけば一定以上のクオリティで企画提案を行ってくれ、面倒なこともまとめて(下請けが)引き受けてくれます。日常の業務を行っている中でさらに「イベントを行え」という指示をもらった会社の担当者などは、はっきり言ってイベントの準備をしている余裕などありません。そこで、ある程度まとまった予算がある場合は、日ごろ取引のある広告代理店担当者への委託を行うのです。

発注・委託における注意点ですが、そもそも広告代理店の収益の柱はいまだに広告媒体のマージン(特にテレビCM)によるところが大きく「面倒」で「儲からない」イベントの仕事は告知にテレビやチラシなどのメディアが絡まない場合、大きな金額で無いと受けてくれませんし、取引口座が無い場合は発注すらできません。(日常的に広告代理店に仕事を発注しており、その「おまけ」でお願いする場合は別ですが)

イベント会社に委託するメリット

イベント会社に委託するメリットは、「その業種のプロ」だからにつきます。企画や制作などの準備に関する業務は普通の人でもやろうと思えばできますが、「ステージの進行(音響・映像含む)」などは、経験がないととてもできませんし、機材をそろえることも難しいでしょう。また、「当日の来場者の受付管理ディレクターを1名」などの細かいオーダーができたり、広告代理店よりは安い金額で発注できることもメリットと言えます。

普段付き合いがあるイベント会社などがある場合は別ですが、いきなりイベント会社に電話を入れて「イベントやりたいんだけど」というのはなかなか怖いかと思いますし、実はイベント会社も「イベント全体を企画・プロデュースするのが得意」な会社もあれば「街頭サンプリングが得意」な所も、「芸能人のブッキングが得意」なところまで様々で、一口にイベント会社といっても「会社によって得意な業務が細分化」されていたりします。これは東京が顕著で「ゼネラリスト」よりも「スペシャリスト」が求められる傾向が強いからです。(地方都市は逆にマーケットが小さいため、「ゼネラリスト」にならないと生き残れなかったりします。)

外注をする場合は、出来れは事前にリサーチを行ってその後一度話しをしてみて判断するか、知っている会社からの紹介など、お互いの「やりたいことと、出来ること」のミスマッチが起きないように気を付けたいところです。また、イベント会社はヨコのつながりが広い為、もしお願いしたい業務が得意な会社でない場合も紹介をしてくれたり、得意な会社のスタッフをメンバーにしたチームを組んでくれるなどの対応をしてくれる場合もあります。