給料は?やりがいは?イベント業界への転職ってどうなの?

イベント業界の給料について

イベント業界への転職にあたって一番気になるのは、なんといっても給料でしょう。業務内容やどんな人に合っているかを解説する前にまずは、イベント業界の給料水準について説明していきたいと思います。

首都圏と地方では給与水準が異なるため一概にこの通りとは言えませんが、いわゆるプロモーションを中心に業務を行っているイベント会社の場合、役職ごとの年収はおおむね以下の様な感じです。(2022年時点)

AD/アシスタントディレクター|200~300万

└入社してすぐの役職。イベント制作のサポートや、イベント現場ではあまり重要ではないポジションを担当したり、アルバイトのとりまとめを行ったりといった業務が主です。1~2年くらいこの役職で働いてみて適正があれば次の役職にあがります。この役職で働いてみてこの仕事を続けるかどうかの判断をする感じです。

D/ディレクター|300~500万

└ADが次にステップアップする役職となります。イベントの制作や事前調整~現場まで、ある程度をこなせるようになるとディレクターとなります。この役職から次のステージに進むためには自身の適性によってさらに専門性を高めていくことになります。ステージ進行が得意ならば「進行ディレクター」や「舞台監督」、全体管理やマネジメントが得意なら「プロデューサー」、企画が得意なら「プランナー」といった具合に、ステップアップしていきます。

Pr/プロデューサー|500万~

└プロモーションやイベントの全体管理、そして営業活動や会社全体の売上の管理といった総合的なマネジメントを行う役職となります。役員でない場合はポジション的にここら辺が上限となります。給料は会社の規模感や業績給の有無などによってさまざまです。

Pl/プランナー|400万~

└いわゆる企画職です。自分で企画書を書きつつイベント制作・現場運営を行う人もいれば、現場にはほとんど出ないで企画書だけを書いている人もいます。どうするかは本人の意向と会社の方針や規模感で決まります。

役員|600万~

└イベント会社の役員だとこんな感じです。経営者以外ですとあまり報酬をもらっているという声は聞こえてこないです。

いかがでしょうか。思ってた通りだった。多かった。少なかった。などいろいろな感想があるかと思いますが、一般的なプロモーションを中心に業務を受託している会社はだいたいこんな感じかと思います。このほか「興行」をメインで行っている会社などは、また違った給与体系をとっていることもあると思います。

転職は何歳くらいまでがよい?

会社側の立場で言えば、全く経験のない状態で入社を希望する人材の場合は、30歳くらいまでの人材を求めています。逆に言うと、30歳を過ぎてからだと業務を覚えたり、こなすのがなかなか厳しいと言えます。(もちろんこれは一般的なイベント業界の目安なので、転職に適した年齢はその会社次第になります。)

未経験で入社した場合は、初めに業務の基礎や業界のルールなどを覚えながら経験を積み、次のポジションへステップアップしていくのですが、はじめにADとして覚えることはとても多岐にわたるうえ、イベントの準備から本番にかけて肉体的にハードな状況で業務を遂行する必要があります。

そのため、単純にある程度若い人間でないとまず体力的な厳しさがあるのと、自身の周りが若い人間ばかりの職場などでは、なかなか業務を覚えられないことに焦りや負い目を感じてしまうこともあります。

私自身は20代後半でイベント・広告業界に入ったのですが、ある程度仕事を覚えるまでの2~3年は、まさに業務の「肉体的な疲労」と、周りの同世代の人間が経験者ばかりのため、自分だけ仕事が出来ないことへのプレッシャーや焦りで「精神的な疲労」が相当たまりました。

ただ、これはどんな業種にも言える事かと思いますが、未経験での転職でキツイ思いをするのは、多かれ少なかれどうしても発生してしまうため、自分にこの仕事が合っているのかと、その先のビジョンを見据え、そのまま続けるかどうかをAD期間中に検討してもらえればと思います。

イベント業界のやりがいは?

以前の新卒向けの記事(【イベント業界への就職について】就活生に聞いてみたイメージと、実際の状況)でも書きましたが、この仕事のたのしさは「魅力的なヒト・モノ・コトとの接触機会がとても多い」ことかと思います。

たとえば、自治体のPRキャンぺーンの仕事なら、その地域の特産品や伝統文化を国内外に向けて発信したり、逆に訪日外国人向けのPRなら観光客に向けた様々な施策を行ったりと、たくさんの魅力的な人々と接点をもったり、文化の体験機会を得ることになります。

その他、企業の新商品キャンペーンで全国キャラバンを行ったり、まだ知られていない国の魅力を集めて紹介したり、最新技術を絡めたエンタメコンテンツの体験イベントを行ったりと、「新しい技術やサービス」をいち早く体験する機会も多くあります。

ただし、それをとりまとめてカタチにするためには莫大な労力が必要になりますし、給料がそれに見合っているかというと、正直なところあまり見合ってるとは言えません。「たのしさ」と「給料」を天秤にかけた時に、「それでもやりたい」と思える人でないと続けるのは難しいかもしれません。

どんな人間が向いているのか?

こちらも以前上記の記事で解説しましたが、イベント業界が向いている人を一言でいうと「細かいことを気にする臆病さと、割り切って突っ走れる大胆さ、両方を持った人(あるいはどちらかが突出している人)」です。

イベントの準備作業はチラシの文字構成であったり、台本の名前の確認、ゲストの移動行程の確認やチケットの手配などなど、とても細かい作業の積み重ねです。

しかも、その準備でミスをしてしまい大きな問題に発展してしまうことも多々あります。ただし、特に本番直前で業務が詰まっている時になどは特に、すべての作業を完璧にこなすことはリソース的に難しく「要点は最低限抑え、絶対に間違えてはいけない個所は確実に抑える」というバランス感覚が重要になります。

また、イベントは“生モノ”なので、いくら綿密な準備をしても当日に思いもよらないことが起こることがよくあります。そんなときに「割り切って大胆な判断をできる」ことも重要な資質の一つです。

逆にイベント業界に向いていない人は、特に「体力が無い人」です。ほかにも向いてない要素はありますが、体力が無いというのはかなり厳しいといえます。

イベント前であれば、企画・制作といった長時間のデスクワークの他、イベント本番では深夜の会場施工であったり、真夏の炎天下での来場者誘導であったりと、とにかくイベントには体力が必要です。その他の資質に関しては、経験によってカバーできることがほとんどですが、こればっかりは無いとそもそもの業務遂行が難しくなります。

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