イベントで集客に失敗する原因は3つ
過去の経験上、集客に失敗したイベントの原因は、ほとんどが以下の3点になります。
【場所・時間】場の選定ミス
【周知】告知不足
【内容】コンテンツパワーの不足
つまり、“来る価値のある、楽しいイベントですよ“とターゲットに伝わっていないことが原因です。
「そんな基本部分を精査しないでイベントをやったら、お客さんがこないのは当然でしょ?」と思うかもしれませんが、いざイベントの企画をたててみると、客観的に弱い部分を見れなくなったり、予算の都合で妥協しなくてはいけなくなることが多々あります。
逆に、この3点をしっかり抑えておけば、集客で大きな失敗をするリスクを減らすことができます。この記事では事例を交えながら、どうすれば集客で失敗しないかを紹介していきます。
【時間・場所】ターゲットに即した、会場と日程か?
会場を決める際に気を付けるのは、想定するターゲットが来やすい場所か(立地)、皆が知っている場所なのか(知名度)、イベントの内容と場所の親和性があるか(イメージ)です。それらを考慮した上で「適切なキャパシティ」か、「使用料」が予算に合っているか、などを比べながら会場選定を行うことになります。
例えば、費用が安いというだけで、アクセスが不便なホールを選んだとします。その場合、ターゲットを「遠いけど行ってみたい」という気持ちにさせるには、相応の魅力的なコンテンツを用意しなくてはいけません。また、チケット制ではなく、自由参加可能な場合は、通りがかりでふらっと入ってくる客はほぼ0になります。
逆にショッピングセンターのイベントスペースなどでイベントを行えば、場内に居る買い物客が自然と集まるため集客の心配はなくなりますが、会場費や設営・準備にそれなりの費用がかかるのと、引き合いが多い土・日は、かなり前から予約をしないと借りれない場合があります。
つまり、ターゲットを誘引できるだけの魅力あるイベントかどうかを客観的に判断したうえで、「会場に必要最小限のお金をかけ、他のコンテンツを充実させる」か「会場にある程度のお金をかけて集客面でのリスクを抑えるか」の方向性をしっかりと決めることが重要です。
また、日時の選定に関して言うと、ほとんどの場合、土・日・祝に行えば大きな間違いはないのですが、ターゲットを絞ったイベントの場合はその限りではありません。仕事帰りのOLを狙ったものであれば、平日の17:00~でもいいでしょうし、夏休みの子供と保護者を狙ったものであれば夏休み期間中の平日、職業別でいえば、理美容師対象なら月曜、不動産屋さんなら水曜日など、各ターゲットの行動と導線を考えたうえで効果的な日程・時間を決めなくてはいけません。
【周知】ターゲットに、イベントの内容がしっかり伝わっているか?
告知不足には2つの種類があります。1つは「量が足りていない」こと、もう1つは「質が足りていない」ことです。
「量」に関して言えば単純にお金をと人手をかければ解決することがほとんどでですが、「質」に関しては初めに方向性を間違ってしまうと、いくら告知を行っても効果は出ません。つまり、「適切な表現で適切なターゲットに周知をしているか」ということが重要です。
適切な表現とは、ターゲットがその告知物を見た際に「内容を理解し、行ってみたい、紹介したいと思うか」どうか、ということです。例えばイベントのポスターやチラシを作った際、「タイトル、時間・場所・どんな内容のイベントなのか」等の基本情報は入っているか、その上で「コピーや写真は魅力的なものか」、そして「参加するメリットが感じられるコンテンツが含まれているか」等にあたります。全く事前情報を持たない一般の方が、初めてその広告を目にしたときに、即内容を理解して「このイベントに興味が有る・無い」を判断できる程度仕上がっていなければ質の面では不十分といえます。
そして適切なターゲットへの周知とは、告知している広告物がターゲットに到達しているかどうかです。極端な例で言うと、シニアをメインターゲットとしたイベントなのに、メインの広告はwebとSNSで行っているといった具合です。webやSNSを利用しているシニアはもちろんたくさんいますし、逆に「シニア向けwebセミナー」のようなターゲットをさらに絞ったイベントであれば、それでもいいのですが、ここで言いたいことは「接触する可能性が高い告知方法をとっているか」ということです。
【内容】そのイベントは本当に楽しいの?
イベントに人が集まらない最大の理由は、そのイベントを「つまらない」と思う人が多いからです。
そもそもの話になってしまいますが、イベントに参加するということは「時間」や「お金」と引き換えにした「価値」を得るということです。逆に言うと、参加したいと思う価値が無ければ人は集まりません。とは言っても、初めからつまらないイベントを作ろうと思う人はいないと思いますので、なるべくつまらないイベントを作らないためのコツを紹介していきたいと思います。
■内容にメリハリをつける:そのイベントの「引き」になるコンテンツを1つか2つ用意して、それを前面に打ち出す手法です。漫画雑誌で言えば表紙の漫画キャラです。1つ引きができれば、そのコンテンツへの集客はある程度期待できるので、あとはそこに来た人たちを楽しませる他のコンテンツを用意すれば、そのまま滞留させることもできます。
■誘引フックをつける:誘引フックとは、会場に来たくなる仕掛けです。例えば「来場者先着〇〇名に限定でオリジナル〇〇キットをプレゼント」などです。
■他の人気コンテンツの力を借りる:自分でコンテンツを賄えないなら、他の魅力的なコンテンツの加力を借りる方法があります。例えば、このイベントにくると、会場周辺の人気レストランの割引チケットがもらえるなどです。
■確実に集客できる鉄板コンテンツを用意する:ファミリー向けのキャラクターショーなどの鉄板コンテンツをいれてしまう。
などです。
イベントコンテンツを組み立てる際は、失敗したくない思いから、あれもこれもと凡庸なコンテンツをちりばめて総花的な内容にしてしまうことがあります。全部のコンテンツが平均して面白ければいいのですが、最悪なのは全部のコンテンツが平均してつまらない場合です。集客するために必要なのは「面白いコンテンツ」です。今企画している内容を見返してみて、その中に1つでも面白いと思えるものが無いのであれば、最低1つだけでも面白いと思えるものを盛り込むことが、集客で失敗しないために重要なポイントです。