イベントに人を集めるための手段
質の高いイベントを企画しても、参加者がいなければ何にもなりません。社内行事などの半強制の催事を除きイベントに人を集めるためには、それなりの告知を行う必要がでてきます。ここでは代表的な告知方法について紹介いたします。
【代表的な告知方法】
- チラシ・ポスターなどの出力物の掲出・配布
- web・SNS広告の出稿とランディングページの作成
- 雑誌・新聞・TVなどの広告媒体を使った告知
- 口コミ・紹介
- PR
それでは、それぞれの方法について解説していきます。
1.チラシ・ポスターなどの出力物の掲出・配布
定番の方法ですが、ポイントがいくつかあります。
まず、チラシ・ポスター自体の表現方法が適切かということです。一言でいうと、そのチラシ・ポスターを見て「イベントに行きたくなるか」がポイントとなります(当たり前の話ですが、これを客観的に判断することがとても重要です)。特に重要な要素としては「イベントのイメージを喚起する写真・イラスト」「タイトルとコピー」「実施概要(日程・時間・場所)」の3点です。また、参加費がかかる場合はいくらなのか、問合せ先はどこなのかなどの必要項目が入っているかの確認もしっかりと行ってください。デザインを自分でするか、外部に委託するかはお金と経験とデザインセンス次第ですが、特別なスキルが無い場合はデザイナーにお任せするのがよいでしょう。
また、印刷物を刷った後には、掲出や配布を行わなくてはいけません。限られた予算の中で効率的に訴求するためには、お金を使って掲出・配布出来る方法(駅のポスタースペースやチラシラックなど)と、お金はかからないけど汗をかく方法(取引先や関連団体などに依頼して掲出・配布してもらう)をバランスを見ながら行うのが良いでしょう。
2.web・SNS広告の出稿とランディングページの作成
web広告に関しては、誘導先のランディングページ(着地ページ。ここではイベント概要をまとめたページの意味で記載)の作成がセットで必要になってきます。チラシと一緒で最小限必要事項が記載されていればいいのですが、折角なので、webの特性を活かした仕組みもお金や時間に余裕があれば盛り込みたいところです。参加申込が必要なものであれば申込みフォームを設置したり、公式SNSページを作成したりといったものから、協賛募集のお知らせなどなどの他、SNSでの情報拡散をねらってちょっと変わったメッセージビデオを上げたりと色々な施策が行えます。
ランディングページを立ち上げるだけでは、勝手にそのページに人は来ないので、web広告を打つ必要が出てきます。一番メジャーなのはYAHOOなどのポータルサイトや利用者数の多い携帯アプリのバナー広告でしょうか。web広告の便利な所は、「エリア」や「ターゲットの属性」をセグメントして広告を打つことができ、効果測定が容易なことです。また、バナー広告を出す際には、チラシやポスターと同じようにデザインが必要になります。基本的にはチラシなどと表現の考え方は一緒なのですが、紙よりもさらに小さいエリアに「クリックしたくなる」情報を詰める必要があるため、出来れば専門のデザイナーにお任せするのが良いと思います。
3.雑誌・新聞・TVなどの広告媒体を使った告知
雑誌・新聞・TV・ラジオはいわゆるマスメディアと言われるモノで、不特定多数の人に情報を発信するのに適した告知方法です。特にTVは地方では未だ強い影響力を持っているため、地元のちょっと大き目のイベントなどを告知する際には必ずといっていいほど活用されています。多数の人間に情報を伝達できるという事は、もちろんそれ相応のコストがかかるため広告を出す際には予算と効果を検証しながらしっかりとした告知プランを立てる必要があります。
予算とリーチ(広告に接触した人の数)でいうと概ね下記のような感じです。
【高コスト・高リーチ】 TV > 新聞 > 雑誌 > ラジオ 【低コスト・低リーチ】
TVで告知をする方法としては2種類あります。1つ目はCMを打つこと。2つ目は情報番組などの「パブリシティコーナー」などで紹介してもらう事です。CMを打つ場合は、電波料という放送料金をTV局に支払う他、CMを作るお金がかかってきます。地方ならまだしもいわゆる在京キー局で流す場合には莫大なお金がかかるため、あまり現実的ではない選択肢かもしれません。「パブリシティコーナー」での紹介というのは、例えば、地方の情報番組内の「お知らせコーナー」のようなものに、出演または情報を提供してイベントの情報を紹介するものになります。地方であればそんなに価格も高く設定されていない場合が多く、ほとんどが主婦層を対象とした午前~夕方までの地方局制作の情報番組の中に設けられているため、主婦やファミリーを狙ったイベントの場合には比較的利用しやすい告知方法と言えます。
新聞の媒体特性としては、中高年の読者層が多いことが挙げられます。また、新聞自体への広告もですが、折込チラシによる告知も新聞を使って行うことが可能です。新聞本紙に広告を打つ場合はスペースが限られますが、チラシの場合は全面&両面を使うことができ、たくさんの情報を入れることが可能、さらに折込エリアを細かく指定することができるため、中規模のイベント告知に適した媒体と言えます。ただし、他にも大量に折りこまれるチラシの中からピックアップしてもらうための印象に残って、イベントの内容をしっかりと伝えることができるデザインが重要となります。
雑誌広告の特徴としては、趣味嗜好が分かっている層に対して告知ができるというところです。自転車のイベントなら自転車雑誌、経済系のセミナーなら経済紙など、雑誌の種類に併せての出稿を行うことで、ターゲットを絞り込んで無駄なく訴求できます。ただし雑誌と一口にいっても、全国に多数の読者を持つものから、地方のミニコミ誌やフリーペーパーまで数多くのものが発行されているため、各雑誌が広告掲載に関してのメニューをまとめた『媒体資料』を入手して価格とターゲットを精査しながら検討を行うのがよいでしょう。
ラジオに関しても基本的にはTVと同じで、CMとパブリシティの2方向があります。ラジオのメイン聴取層は営業車などでカーラジオを聞いているサラリーマンになります。CMの効果としては映像が無く音だけのため、TVに比べると情報を認識してもらう確率は下がってしまいます。ただし、ラジオは同時刻にいつも同じ番組を聞いているという「聴取習慣」を持った人が多く、大量のCMを流し特定の層にアプローチする場合などには効果を発揮します。パブリシティに関しては、独自番組を制作している地方局であればほとんど枠を持っているためすぐに候補を出してくれます。TVと比べれば格段にCMやパブリシティの料金は安くなりますが、その分効果は薄くなります。
4.口コミ・紹介
口コミや紹介は集客において非常に強力な手段です。誰かが「いいイベントみたいだから一緒にいこうよ」と一言いう事は、他のどんな情報よりも信頼性が高く、強い誘因を持っていると言えます。お金をかけて告知を行わず、勝手に口コミや紹介で人が押し寄せてくるのが理想ですが現実はなかなかそうはいきません。口コミや紹介に至るためには「イベントへの期待感と信頼」が伴わなければいけませんが、当然初めて行うイベントには期待感はあってもなかなか信頼を生み出すことは難しいと言えます。そこを補填するコミュニケ―ション手段としてSNSの活用をする方法があります。公式FBなどのSNSページを作成し、事前に参加者の不安を極力少なくし、期待感を高めていくことでイベントへの信頼感を醸成することができる場合もあります。
5.PR
ここでオススメするのは『戦略的なPR活動』です。普段何気なくPRという単語を使っているかと思いますが、PRはパブリック・リレーションズの略で、本来は組織とそれを取り巻く人間との関係性の構築を意味し、日本語にその概念が入った際に「広報」と訳され今日に至っています。(現在、広報という単語からは一方的な情報発信のイメージが強く感じられますが、もともとは「継続的な信頼関係を構築するための行動」となります。)ざっくりいえばメディアとの関係を作っておいて、自身の活動が取り上げられるようにすることになります。もちろん、その関係性はすぐに築けるものではありませんので、ここでは即効性のある方法を紹介します。それは『プレスリリース』の発行です。ほとんどの方は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。簡単説明すると自治体や企業・団体などがメディア向けに発行している、発行元がメディアに向かって周知したい情報をまとめたシートになります。それをイベントを主催するあなたが、メディアに向けて発行をしていくのが方法です。もちろんただ発行するだけでは、何の意味もありません。一番重要なのは「メディアが欲しい情報を欲しい形で提供すること」になります。(詳しくは別記事で紹介していければと思います)もし、そのリリースがうまくメディアにキャッチされれば、お金をほとんどかけずにTVやwebなどに掲載され、大きな告知効果をもたらすかもしれません。
PRの方法について、詳しくはこちらの記事で解説しておりますので、参考にしてみてください。