このコラムでは「イベント業界」「広告業界」にまつわる様々な“あるある”を会話形式で紹介していきます。
今回は『イベント準備篇1 ~制作会社内準備作業~』です。
彼らが日々繰り広げている日常の中の一コマを切り出して、よく起こる事やよく使われる用語を解説していきたいと思います。
前回の『企画書制作篇3』では制作会社内で企画書を作っている場面を紹介しましたが、今回は晴れて企画が通りイベントの準備を行うシーンとなります。
制作会社内でのイベント準備についてのやりとり
制作会社プランナーA(以下A)「というわけで、何とかコンペに勝ったんだけど、仮押さえしてたゲストの本決定とバラシはもうちょい待ってて。」
制作会社ディレクターB(以下B)「了解。で、キックオフの感じだとゲストは誰になりそうなの?」
A「いや、それが追加で他の候補も出すことになった。」
B「ええ!?マジか。提案した候補のどこが気に入らなかったの?」
A「急に部長が出てきて、もっと違う候補も見てみたい。とか言ってるのよ。」
B「…そうですか。で、次の提案はいつなの?」
A「今週中に出してほしいと言っている」
B「 …そうですか。 」
と、制作会社ではイベントの準備でこんな感じの打合せが繰り広げられてます。
それでは、それぞれ太字になっている用語とシチュエーションについて解説していきましょう。
用語とシチュエーション解説
コンペに勝った…企業が実施するイベントの場合、発注先を決めるにあたって取引先代理店数社による企画コンペになることもよくあります。 競合が2~3社程度ならまだいいのですが、大した金額でもないくせに5~6社で競わせるクライアントはどうにかならないものでしょうか。クライアントから代理店にプレゼン費は出たり出なかったりですが、出たとしても雀の涙程度がほとんどです。
仮押さえ…芸人やタレントをゲストとしてイベントに呼ぶ際には、まずゲスト候補者に仮でスケジュールを抑えてもらいます。ただし、タレントによっては決定案件しか受けないという方もいらっしゃいます。
本決定とバラシ…上記の「仮押さえ」をする場合、予備を含めて第3候補位までを押さえることが多くあります。コンペに勝ったり、クライアントからGOが出た場合に仮から本決定へ移行するのですが、候補者の中で本番時に起用すると決まったゲストは「本決定」とし、その他のゲストは「バラシ」となり依頼の取り下げを行います。
キックオフ…キックオフミーティングの事。プロジェクトの始動時に顔合わせもかねて、代理店と制作会社担当者がクライアントと第1回目の打ち合わせを行います。(制作会社は参加せず代理店とクライアントだけで行うこともあります。)
追加で他の候補も出す…とてもよくあります。では、私たちの提案は一体何だったのでしょうか?なぜコンペで勝った?
急に部長が出てきて、もっと違う候補も見てみたい…なるほど、こういう理由があったんですね。よくあります。それも今週中に出してほしいと。
今週中に出して…方々のタレント事務所に無理やりお願いして、何とか今週中に他の候補をそろえて出すと「やっぱり初めに出してもらったタレントがいいね。」とか言い出す始末。
以上、いかがでしたでしょうか。それでは他のあるあるをお楽しみに。