イベント協賛を獲得するための企画書作成ポイント

協賛を狙う企業がやりたいことを、効果が見込めるカタチで企画にする

イベントへ協賛を取り付けるために企画書を作成する際のポイントは

その企業の「やりたいこと」「解決したい課題」を反映した、独自の企画を考えることです。

協賛企画書を作る際、よくやってしまうのが

プラチナ協賛 1社 内容:イベントタイトルへの御社名の併記…

ゴールド協賛 1社 内容:告知物全ての○○への御社名の記載…

シルバー協賛 3社 内容:会場内の○○への御社名の記載…

以下ブロンズだの一般だの続く…

といった「共通協賛メニュー」を、協賛企画書として営業をしてしまうパターンです。これはあくまで「協賛向け共通セールスシート」で企画書とはちょっと異なります。もちろんこの共通メニューは重要なものですし、実際、協賛企業内で協賛を検討する際の内部資料として必ず必要になってきます。ですが、実際に営業を行うとこの共通メニューがなかなか企業の要望にマッチせず、「この他になんかできないの」などと言われることがほとんどです。

TVや新聞・雑誌の枠のような「媒体としてのベースが出来ており、はじめからある程度の効果が想定できる」ものであれば、メニュー化されたものは分かり易く、企業の担当者や決裁者も納得しやすいのですが、イベントのような「いったい何人の人が集まるのか、どんな層の来客があるのか、そして本当に催行するのか」分からないプロモーションの場合、どうしても協賛には及び腰になってしまいます。そのため、共通メニューはそれとして用意をしておき、企業ごとの個別企画書を作成する必要がでてくるわけです。

つまり、どこにでも出せる汎用性のある協賛メニューだけではなく、協賛を狙う企業に向け、個別に提案書を作ることが重要です。

例を挙げて説明します。

ある飲料メーカーへ対してグルメブースが多数出展するフードイベントへの協賛提案をしたいと考えているとします。まず先方がやりたいことや解決したい課題のヒアリングを行うと、その返答が「あまり売れ行きのよろしくない飲料商品のプロモーション」だと言われました。ここで考えられる方向性としては、

【会場内で】

●体験させる:飲料をプレゼントする(サンプリング)

●認知させる:飲料の紹介をするコーナーやステージプログラムを設ける

●購入させる:飲料の販売コーナーを設ける

【会場外・事前に】

●認知させる:チラシやwebで連動キャンペーンを行う

●ツールとして使う:事前に何かをして方来場プレゼントとして配る

といったところになります。ただし、イベントというコンシューマーとのリアルなコミュニケーションの場ですから、認知促進施策だけではもったいないので、「体験」が伴う施策を考えたいところです。

そこで提案する協賛企画として、飲料メーカーの飲料をこのイベントの「公式飲料」という事にして告知物関係全部に盛り込み、会場では出展する飲食ブースで注文した際に渡す「フードブースの順位を決める投票権」を持って飲料メーカーのブースに来てくれた方全員に飲料をプレゼントするという企画を提案することにしました。

これであれば、来場者は食べ物を購入した際に欲しくなる飲み物をタダでもらえるうえ、協賛者のブースへかなりの割合で誘引することが出来るため、プレゼントする飲料を引き渡す際にさらに何らかのアプローチが出来るというものです。

さらに、そのブースの施工や運営も一緒に受注することができれば尚良しといった感じです。

これは一例ですが、特にイベントの協賛に関しては、既存のメニューだけではなく、協賛各社個別に企画を考える必要があります。めんどくさがらず、汗をかく事をいとわないのが協賛獲得への近道です。

また、協賛金額に関してはもちろん「協賛してもいいかな」というギリギリのラインで設定したいのですが、この値付けが難しいところです。イベントですので、会場で接触できる来場者数には限りがありますし、企業側からは費用対効果を厳しく突っ込まれます。ですのであまり高額に設定してしまうと、企業側での決済がおりませんし、仮に金額にOKが出ても、こちらにもそれ相応の内容を求められます。

上記にあるような「協賛メニュー」なら、お得かどうかの判断基準がありますが、ステージ出演や告知物へのロゴ掲載などは効果がみえずらくなります。そのため、企画には単純な金額換算にならない『プレミアム』を盛り込み、協賛金を上限まで獲得したいところです。

例えばですが、「このイベントの後援を務めてる○○市長を引っ張って着て、御社の社長とステージで対談をセッティングします」とか「この会場でサプライズで新商品の発表を行います。」など、『このイベントでしか出来ないこと』を企画に落とし込み、単純な金額換算では計れない価値で、企業が納得するだけの理由を作ることが重要と言えます。