どのパートを外注するか?
実際にイベントを行ったことがある方は分かるかと思いますが、企画・制作・運営・事後処理とやらなくてはいけないことは多岐にわたり、さらに大型のイベントとなれば自分だけではなく複数のメンバーによって進行しないとプロジェクトが回りません。また、これは自分たちで出来るだろうを考えていたことが、いざ本番になったら全然できず、大きな失敗をしてしまった経験がある方もいるかもしれません。
「予算に多少の余裕があり」「失敗のリスクを極力減らしたい」場合は、そのパートを外注してしまうという方法もあります。
以下、外注を検討した方がいいパートと初心者が失敗するリスクの高さを★でまとめてみましたので参考にしてください。
【ステージの運営全般】 初心者が失敗するリスク★★★★★
ステージの進行担当者、音響機材&オペレーター、台本制作、演出・構成、出演者との調整…などになります。いずれも専門性の高い業務で、機材を借りたり・用意したり・操作したりといった業務も発生します。特にゲストを招いてのステージイベントなどは「よく結婚式の二次会を仕切っているから大丈夫」位の軽い気持ちで臨むと失敗する可能性が高いです。
【タレントや著名人のブッキング】 初心者が失敗するリスク★★
タレントや著名人をブッキングする方法は3つあります。
1つ目は、直接事務所へ連絡して交渉すること。
2つ目は、ブッキング会社(講演依頼.comなど)に依頼すること。
3つ目は、広告代理店やイベント会社にお願いすることです。
それぞれ一長一短がありますので、どの方法が良いとは一概に言えません。
当然1つ目が一番手間がかかるけど、余計なお金がかかりません。ただし、連絡先を公開していない事務所や、飛び込みの依頼を受けてくれない事務所もあるため、全てのゲストに対して行えるわけではありません。また、タレントの嗜好や業界独特のルールなどがあり、途中のやりとりで苦労することもありますし、ギャラは先払いがほとんどです。(仮に会社で行う場合、先行して100万以上のお金をタレント事務所に前払いするための稟議を通さなくてはいけないかもしれません。)。
2に関してはネットで情報をオープンにしている会社もあれば、そうでない会社もあるため、存在自体を知らない方もいらっしゃるかもしれません。サービスの内容は会社によってピンキリで、「ブッキングだけやって、当日のアテンドなどは主催者にお任せ」の場合や「ブッキングから当日のアテンドまでやります」という所まで様々です。
3のイベント会社や広告代理店にお願いすれば、ブッキングから当日のアテンドやフォロー、弁当の好みの確認から送迎計画までまるっとやってくれますが、当然それなりのお金がかかってしまいます。
【屋外イベントの設営や機材の準備】 初心者が失敗するリスク★★★★
運動会でよく使われる「パイプテント」を立てることができますか?
屋外イベントを行う際に必ずと言っていいほど必要になる「テント」ですが、用意するのも、立てるのも難しいかと思います。「テントなんかなくてもいいじゃん」と思っている方。これが意外と必要なんです。雨や直射日光を避けるだけではなく、着替えや待機場所、機材の置き場など屋外イベントをやる際はテントや日よけなどは、ほぼマストと言っていいでしょう。この「パイプテント」や「ワンタッチテント」などは買って数をそろえるのは大変で、しかも保管場所も必要なうえに、年に数回しか使わない可能性もあります。そのため、通常屋外イベントを行う際は「テントを持っている業者からレンタル」を行って設置します。ネットで検索すればたくさん業者が出てきますが、「レンタル+設営・撤去」までセットでお願い出来るところがほとんどです。ちなみにやりかたを教えてもらったとしても初心者が2人位でテント(幅5.4m×奥行3.6m位のもの)20張を建てるとなると、とても1~2時間では終わりません。外注する場合は「レンタル+設営・撤去」までセットでお願いしましょう。
【イベント警備】 初心者が失敗するリスク★★★
ある程度の規模で多くの来場者が見込まれるイベントを行ったり、オープンスペースで不特定多数の一般人の往来の中でイベントを行う場合など警備が必要となります。
警備の種類は大きく分けて下記のようなものがあります。
●雑踏警備 多数の来場者が見込まれるイベントでの会場周辺の誘導・導線確保・立ち入り禁止区域への立ち入り制止等
●交通整理 車での来場者が多い場合の交通整理や駐車場での誘導
●施工警備・夜間警備 イベント施工中の安全確保やイベントを2日以上行う際の夜間警備など
●VIP警備 VIPが来場した場合の警護(通常は警察と連携して実施します。)
警備に関しては、誘導などは一般人でも出来ますが、警備業資格をもった会社のスタッフでないと警備が認められない業務や、会館などによっては指定警備業者が決まっている場合があります。また、警備会社へ業務を発注する際は「主催者」⇒「警備会社」の直接発注か、間に広告代理店や制作会社を挟む場合、その間の会社も警備業資格を持っていなければいけません。
警備員が必ず必要な場合を除き、警備を外注するメリットを挙げるなら、「制服警備員は抑止効果が段違い」という事です。首からスタッフ証をつけた人と、制服警備員ではたとえ警備員がちょっと年配の人でもこちらのいう事を聞いてくれ易くなります。
【記録撮影(写真・映像)】 初心者が失敗するリスク★★
イベントを行った際の記録写真や映像の撮影についてです。基本的にはスマホやコンデジで十分かと思いますが、今後会社のプロモーション用素材で活用したり、対外向けのレポートやwebページを作成する予定がある場合は、スチールカメラマンや映像カメラマンを外注した方がいいかもしれません。特にステージもの記録写真に関しては、近くまで寄っての撮影が出来ない場合もあるため、望遠レンズが必要になる事もありますし、室内での撮影は意外とうまく撮れなかったりします。また、記録映像に関しては定点撮影の場合はいいかもしれませんが、動きがある映像に関してはやはりプロに外注した方がいい場合が多いです。
記録撮影で注意したいのは、撮影スケジュールです。ステージの発表とゲストを招いてのワークショップが同じ時間に行われるなど、プログラムがかぶってしまっている場合などは2名に分かれて撮影するか、片方のアタマだけ抑えて別の場所に移動する必要なども出てきます。ここら辺の動きは事前にしっかりとシミュレーションをしておきたいところです。
【チラシ・ポスターのデザイン】 初心者が失敗するリスク★★★
チラシやポスターのデザインに関しては、はっきりいってプロに任せるのが一番です。自分でやってももちろんいいのですが、必要な情報を限られたスペースに押さめ、訴求したいポイントをしっかりと伝え、全体のバランスをとって、美しく仕上げるというのは素人には難しいかと思います。もちろん、狙って「手作り感」などを出したい場合は別ですが、そんなときも独りよがりにならず「人にどう見られているか」を考えながら作ることがポイントです。
また、印刷に関してはネット印刷がかなり安くなっているため、基本的な知識がある場合は、デザインは外注。データをもらって印刷は自分で。とうまく切り分けを行って経費を抑えることもできます。もちろん印刷の知識に不安がある場合などは、デザイン会社さんなどにデザインから印刷までワンストップでお願いしてしまうのもいいと思います。外注は「リスク」「時間」を「お金」で解決するための手段ですので、自分にとってよりメリットのある方法を考えて選択してください。